2006年04月15日

ニュートン環などの話

 前回の「薄膜による干渉の話」の続きとなります…。



ニュートン(リング)

焦点距離の長い(曲率の小さい)凸レンズ L と 平板 P とを重ね、上から単色光で照らすと、下図のような同心円の明暗の縞があらわれ、複光で照らすと、一つの縞の中に色が配列する。

ニュートン環

 これは、レンズの裏面 B で反射する光 ABD と 平板 P の表面で反射する光 CBD とが、二つが重なる部分 BD において干渉するためにおこる。

 その部分のレンズ、平板間の空気層の厚さ BC を D とすれば、両光線の
行路差 は 空気層の往復距離 2d で、 n = 1 だから

  2d = ( m + 1 / 2 ) λ のときは 助け合って  明るく

  2d = mλ  のときは 打ち消し合って 暗く なる。

 但し、  m = 0 , 1 , 2 , .....

 何故なら、レンズの裏面 B における反射では、光学的に 密→疎 に出ようとしての反射であるから位相は変わらず、平板の表面 C における反射では 疎→密 に入ろうとしての反射であるから π だけ位相が変わる。

 BC を往復する 2d が光路差( ∵ 屈折率 n = 1 )であるから、2d が半波長の端数を含むときは明るく、波長の整数倍のときは暗くなる。

 但し、レンズ、平板間が 屈折率 n の液体ならば、液体中の波長は、 λ' = λ / n  だから、2d = m ( λ / n  のところが 暗い


ガラス板による干渉(くさび形を作る場合)

 ガラス板 P の上に四角なガラス板 Q を重ねて一端に薄い紙をはさんでくさび形の空気層 QPR を作る。

ガラス板による干渉

 これに直角方向に単色光をあてると(図 a )、平行・等間隔の明暗の縞模様がみられる(図 b )。

 これは、ニュートン環と同様に、ガラス板 Q の裏面で反射した光(例えば BD )と、ガラス板 P の表面で反射した光(例えば CD )とが干渉するためで、光路差 2d が規則正しく変わるため縞模様となる。


干渉波動特有な現象である

 干渉示すこと である 一つの証拠である



(...to be continue...)

 次回は、「光の回析」の話です…。
posted by 梵 at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月31日

薄膜による干渉の話

 前回の「光におけるドップラー効果」の続きです…。



薄膜による干渉

 シャボン玉や、水面に拡がっているガソリンによって美しい色が見えるのは、石鹸水或いはガソリンの薄い膜にあたった光の干渉によって起こる。これを 薄膜による干渉 という。この現象の理由を次のように分けて考える。

薄膜による干渉の図

 光線 AB が石鹸水中に入射するときは、その表面で一部反射し ( →_BC ) 、残部は石鹸水中に進み ( →_BD ) 、裏面 D で一部反射し ( →_DE ) 、残部は空気中に出る ( →_DF ) 。裏面 D で反射した光 DE は再びもとの空中に出て →_EG の方向に進む(波T)。表面の点 E に入射する別の光 A'E も点 E で一部反射し、同じ方向 EG へと進む(波U)。この同じ方向 EG へ進む波TとUとが干渉するものであるが、このような干渉が表面 MM' の各点においておこる。


▼光源の同じ点から出る二つの光線の通る経路の長さの差を 行路差という。

 点 E から光線 BD に下ろした垂線 EH の足を H 、光線 BD の屈折角を r 、石鹸水の厚さを d とすれば、

 二つの光線TとUとの行路差 は  HD + DE = 2d cos r   である。

 何故なら、光線 AB と A'E は太陽の 1 点から出て平行に進んできたものであり、光線に垂直な AA' は波面で A と A' は位相は等しい( A が山ならば A' も山)。同様に E から BD に下ろした垂線の足 H の位相は E の位相に等しい。従って EG の方向に進む波Tは波Uより HD + DE だけ余計に旅をしている。ゆえにTとUの行路差は HD + DE である。E から面 NN' へ下ろした垂線 EK と光線 BD の延長との交点を L とすれば、

   DE =DL ,  EL = 2d ,  ∠DLE = r  であるから、行路差は

   HD + DE = HD + DL = HL = EL cos r = 2d cos r


光の反射位相の変化

 石鹸水は空気より屈折率が大きい(従って、光学的に密)。一般に、光線 A'E が点 E で反射するときのように、光が 屈折率 のより 大きい物質 (光学的により な物質)(石鹸水)に 入ろう として 反射する ときは、位相π だけ 変わる(反波長ずれる)。また、光線 BD が D 点で反射するときのように、光が 屈折率 のより 小さい物質 (光学的により な物質)(空気)に 出よう として 反射する ときは 位相変わりはない

 但し、石鹸水の中では空中よりも光は震動しにくいと考えれば上の現象がわかりやすい。即ち、光の波 A'E が空気から石鹸膜面 MM' に来ると、石鹸水中は震動しにくいので膜面 MM' は固定端になり、位相が π だけ変わる。また、光の波 BD が石鹸水の表面 NN' に来ると、空気は震動しやすいから、膜面 NN' は自由端となるので位相は変わりはないのだと考えればよい。

光の反射と位相の変化の光波図

 一般に、同じ波長、同じ方向 に進む 二つの波TU は、位相が同じ 場合は 干渉 して 強め合い 振幅の 大きい波V となって同じ方向に進行し(図 a )π だけ 位相が違う(半波長 だけ ずれる) 場合は 干渉 して 弱め合い 振幅の 小さい波V となる(図 b )

 ゆえに、薄膜の場合、行路差 HD + DE = 2nd cos r の中に 整数個 があるときは、反射の際位相のずれ があるために、EG 方向に進む波 TU とが 重なって暗く なる。即ち、

  m = 1 , 2 , .........  として

   2d cos r = m λ'   ……… 暗

反対に、行路差 HD + DE = 2n cos r の中に 半波長端数 があれば、波 TU とが 重なり 合い 明るく なる。即ち、  m = 0 , 1 , 2, .......  として

   2d cos r = ( m + ( 1 / 2 ) ) λ'   ……… 明


▼石鹸水の屈折率を n とすれば、

 上の波長 λ'石鹸水中波長であって、空気中の波長 λ の 1 / n に 等しい。即ち

   λ' = λ / n

よって、
 屈折率 n , 厚さ d の薄膜に入射する 波長 λ の単色光の 屈折角r のとき、行路差 2d cos r が

   2d cos r = λ / n ・ m  ( m = 1 , 2, ...... )  ならば 暗く、

   2d cos r = λ / n ・ ( m +
( 1 / 2 ) )  ( m = 0 , 1 , 2 , ..... )  ならば 明るい

 但し、空気中の波長 λ の何倍であるかを比べるため、膜中の 路差 2d cos r に、屈折率 n をかけた  n ・ 2d cos r   を 路差 という。

上式を変形し、下記のようにしてもよい。

   n ・ 2d cos r = 2m ( λ / 2 )  半波長の偶数倍 → 暗

   n ・ 2d cos r = ( 2m + 1 ) ・ λ / 2  半波長の奇数倍 → 明

 また、単色光の場合は、眼に入る光の方向により上式の屈折角 r が違うので、縞模様が見える(干渉縞)。日光の場合は、強め合う条件に合う波長の光は眼に強く感じ、弱め合う波長の光は眼に来ない。両条件に合わない波長の光は普通の強さで感ずるゆえ、色づいて見える。


膜に垂直に光があたるとき

 r = 0 , cos r = 1 ,  従って

   2d = λ / n ・ m  ……… 暗   2d = λ / n ( m + 1 / 2 ) ……… 明

 例として、屈折率 3 / 4 , 厚さ 0.15 μm の膜に垂直に日光が当たると、どんな色に見えるかについて考えてみれば、上記の計算より、光路差は 0.4 μm となり、これは紫色光の波長 0.4 μm の m = 1 倍であるから紫色は眼に来ないが、赤色光( 0.8 μm )の半波長 0.4 μm の端数であるから、赤色光は強く感ずる。他の光は普通の強さであるから、全体として橙赤色に見える。

 但し、ガソリンが水面上に拡がっている場合、ガソリンは水より屈折率が大きく光学的に密であるから、ガソリン→水の裏面の反射は自由端の反射で位相は変わらない。

 また、ガラス(屈折率 n = 1.7 )の表面に屈折率  n' = 1.3  の物質の薄膜をつくるような場合、薄膜の裏面 B の反射では、ガラスの方が光学的に密( n > n' )であるため、表面 A におけると同様に、π だけ位相が変わる。従って、

   2d = λ / n ・ m  ……… 明るく、  2d = λ / n ( m + 1 / 2 ) ……… 暗く、

上記とは反対になる。

膜に垂直に光があたる時の一例

 但し、膜が厚いと、強め合う光が、各波長にわたり多数できるので、白色光となって干渉しないのと同様である。



(...to be continue...)

  次回は「ニュートン環」などのお話になります…。
posted by 梵 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月08日

光におけるドップラー効果

 なんです…。脊髄疾患は辛いものですね…。諸症状がバリバリ出るので、少しずつ挙げていきます…。…で…。うーん、痛いですね…。実は、まだ、疾患の症状で痛みが酷いのですよ…。

 されど、なんです…。うーん、短いからいいか…。すねネタ挙げろと小十郎が煩いので挙げますが…。

 前回の「分光器とスペクトル」の続きです…。

 まぁ、「太陽と地球の距離の話」の続きのような話でもあります…が…。へんな使い方しないでね…。



光におけるドップラー効果

 光源と観測者とが相対的に運動している時は、音波と同様にドップラー効果がある。

 光速 C 、相対速度 0 のときの 波長λ相対速度 υ のときの 波長λ' とすれば、

  近づき つつあるとき  λ' = ( 1 − ( υ / c ) ) λ

  遠ざかり つつあるとき  λ' = ( 1 + ( υ / c ) ) λ

で、波長の差、  Δλ = ( υ / c ) ) λ  だけ、

 短く近づくとき)、長く遠ざかるとき)なる。

  ただし、υ は c に比べて小さいものとする。

 すなわち、光源が近づく場合、の  λ' = V − υs / νs  において、音速 V の代わりに光速 c , 音源の振動数 νs の代わりに 光源の振動数 ν , 音源の速さ υs の代わりに光源の速さ υ を置けば、

  光の波長は  λ' = c − υ / ν   これに  ν = c / λ  を代入すれば、

  λ' = λ ( 1 − υ / c )   よって波長の差は

  Δλ = λ' − λ = − ( υ / c ) λ  となる。


▼天体(太陽や星)の光を分光器で調べると

 或る単色光(例えば D 線)は、天体と地球が近づきつつある場合、波長の短い紫色の方へ少しずれ、遠ざかりつつある場合、波長の長い赤色の方へ少しずれる。観測法によって恒星や惑星などの振る舞いや大きさを知る場合は、その波長の差を分光器で調べ、 Δλ = ± υ / c  の式で算出することによって相対速度 υ の方向と大きさを知ることができる。

 例えば、日食時、太陽に面して東側だけ残って他が欠けたときは、フラウンホーフェル線が通常より紫の方へずれ、西側だけ残って他が欠けているときは赤の方へずれる。よって、太陽は東側が近づき、西側が遠ざかり、(太陽が)自転していることがわかる。

 また、(太陽などの)恒星から来る光はスペクトル線から赤色の方へずれ、地球から遠い星ほどそのずれが大きい、これは地球から遠い星ほど大きい速さで地球から遠ざかりつつあることを示しており、宇宙が膨張しているためと考えられている。

 ただし、光速は非常に大きいから、地上の普通の物体の運動によってはこの現象は見られない。



(...to be continue...)
posted by 梵 at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月02日

分光器とスペクトル

 さて…。マイペースな梵ではありますが、基本は大切なので、基本データを少しずつあげていきます。

 前回の「光波の波長と振動数」、「光の分散」と続いてのこの《すねネタ》は、物理ではあるのですが、天文や宇宙論にも(根拠の裏打ちや分析等で)関係する《すねネタ》です。またこれらの《すねネタ》は「太陽系の標準モデル」の根拠の裏打ちにもなるネタです(^-^)



分光器

 光を分散させ明瞭なスペクトルを作る装置を 分光器 という。分光器はコリメーター C ,プリズム P 、望遠鏡 T より成る。コリメーターの細隙 S をレンズ L の焦点の位置におけば、光源から出た光は平行となって、プリズムに当たり分散する。このとき各単色光毎に平行光束となって進み、望遠鏡 T の対象レンズ L_0 で集注され、その焦点面上に各単色光による細隙の像を作る。


▼スペクトルの種類
  1. 連続スペクトル

  2.  赤から紫まで色が連続しているスペクトルである。これは各単色光の作る細隙の像が連続しているのであるから、光源の光は無数の単色光から成っている。

     高温の固体或いは熔融している液体の出す光は連続スペクトルを示す

     例えば、白熱電灯のタングステンの光は連続スペクトルである。ローソクでは、燃えているのはローソクの蒸気であるが、光っているのは煤(固体の炭素)である。固体が光っているのだから連続スペクトルを示す。

  3. 輝線スペクトル

  4.  暗黒の視野に何本かの着色した輝いた線が並んで見えるスペクトルである。従ってこの光源から出る光は波長の違った種類の単色光から成っている。

     高温或いは電子で刺戟されて(放電管などで)光っている気体(イオンを含む)は輝線スペクト
    ルを示す


     輝線の位置(波長)は気体の元素特有である。よってスペクトルを調べることにより元素を検出できる。これを スペクトル分析 という。

     例えば、ブンゼン焔中に食塩水をつけた石綿を入れると、焔は橙黄色となり、普通の分光器では1本の橙黄色の輝線が見える(精密な分光器では2本見える)。この線を D 線と名付ける。これはナトリウム蒸気の出す光であるから、NaCl , Na2CO3 等 Na の化合物の蒸気はどれも D 線 が見える。

     また、放電しているネオンの光は沢山の輝線をもつスペクトルである。

  5. 吸収スペクトル

  6.  連続スペクトルのうち、とことどころが欠けて黒線となっているスペクトルである。次の〔▼〕により物質は特有の光を吸収する性質がある。ゆえに、吸収スペクトルも分析に用いられる。



キルヒホッフの法則

 気体それが高温において出す光低温において吸収する。この法則に従い、気体の吸収スペクトルができる。

 例えば、明るい(高温の)電球を分光器で見れば連続スペクトルが見えるが、コリメーターの細隙と電球の間に、食塩で着色したブンゼン焔を置けば、連続スペクトルのうち、D 線に相当する位置は光が来ないので黒線となって見える。これは高温にあるナトリウム蒸気だけならばその位置に輝線を作れるのであるが、焔従ってナトリウム蒸気が電灯のタングステンより低温であるために、D 線を吸収するからである。

 何故なら、一つの発音体は自分が出す音と等しい振動数の音波を受けると、その音波の振動のエネルギー吸収して自ら鳴り出す。それと同様に、ナトリウム蒸気は、電燈の方が高温でエネルギーが大きいと、自分の出す光と同じ振動数の光( D 線)のエネルギーを吸収する。それで D 線の所が暗くなる。


太陽のスペクトル

 太陽のスペクトル は連続スペクトルの中に多数の黒線をもつ吸収スペクトルである。太陽のスペクトルの中の黒線を フラウンホーフェル線 といい、主な黒線に A , B , C , D , E , F , G , H の名前をつけてある。

 高温の太陽から出る光は連続スペクトルであるが、それより低温の太陽の周囲の気体或いは地上の気体によって吸収されて、フラウンホーフェル線を生ずる。この黒線の位置を調べ、太陽の周囲にある元素の種類が推定される。

 例えば、黒線 D 線は太陽の周囲の気体中にあるナトリウム蒸気が、C 線、F 線は水素が、吸収したものである。A , B 線は朝、夕強く現れる。これは地上の空気の吸収によるもので、朝、夕は、光が通る空気の層が長いので吸収が著しいからである。


(...to be continue...)
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2006年01月23日

光の分散

 さて…。いっきに爆睡してしまった梵でありましたが、お約束どおり、物理系の「すねネタ」挙げです。

(現在小十郎の監修によって講義のプランが立てられ、更に梵の監修によって進められています。)

 扱っている科目が幅広いだけに、何となく、放送大学のような流れの構成になっているような気もするような、しないような…と思いつつ、前回の「光波の波長と振動数」の続きです…。

 この《すねネタ》は、物理ではあるのですが、天文や宇宙論にも(根拠の裏打ちや分析等で)関係する《すねネタ》です。「太陽系の標準モデル」の根拠の裏打ちにもなるネタです(^-^)



光の分散

 光は赤から紫に近づくほどよく屈折する。また赤より紫に近づくほど波長は長い。ゆえに

 波長短い光 ほど 同じ媒質 に対する 屈折率 大きい

 屈折率の違いで光が分かれる ことを光の 分散 という

 例に挙げれば、空気に対する水の屈折率は、 赤色光( 0.8 μm ) 1.331 ;

 黄色光( 0.6 μm ) 1.334 ;  紫色光( 0.4 μm ) 1.344 で分散する。


▼ゆえに、

 同じ媒質中光速波長短い光(振動数の大きい光) ほど 小さい

 何故なら、 υ = c / n において、波長の短い光は屈折率 n が大きいゆえ、速さ υ は小さい。

 但し、光は上のように、振動数の違いによって速さが違うが、音波の速さは、

   υ = √γρ / ρ

 などの式によるから、振動数の違いで速さに変わりはない。ゆえに音には分散が起こらない

 また、真空中はどの色の光も速度は等しい。

 
▼日光を細隙 S を通して導きプリズムにあてると

 赤橙黄緑青藍紫 とならんだ色帯を生ずる。波長の順に並んだ色の配列を スペクトル という。

 但し、もし赤外線および紫外線を透過するプリズムならば、それらは可視光線の両側に並ぶが、眼には見えない。


▼すなわち

 分散し得る光は種々の波長の光の集まったもので、この光を 複光 という 分散しない光、即ち、一つの波長により成る光を 単色光 という複光は単色光の集まったものである

 例えば、ナトリウム蒸気の出す D 線は 5896Å , 5890Å の二つの波長の光から成っているが、普通の分光器では二つに分散して見えない。よって普通の実験では単色光として扱う。

 但し、電灯の光のスペクトルでは、主な色に 赤橙黄緑青藍紫 の七つの名をつけているが、この七つの光が単色光ではない。色は連続して変化しているので、無数の単色光が集まっている。



(...to be continue...)
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2006年01月17日

光波の波長と振動数

 光は光でも、とりわけ《光》で Einstein な話というわけでもないのですが、光の基礎なので挙げます。

 すばる望遠鏡やハップル望遠鏡で観測された天体を光の色で計算してある程度導けるのは、既に物理学の過程で光のその性質を解明しているからというのは言うまでもないのですが、本日は、その理由の根底になるようなお話です。

 大学での光学の実験や教育番組では専用の機械を使っての実験がお馴染みですね…。



光の波長

 可視光線(目に見える光)の波長は、赤橙黄緑青藍紫 と、赤色光 より 紫色光近づく に従い 波長短くなり真空中の波長は、赤色光0.8 μm から 紫色光0.4 μm の間で、ナトリウム蒸気の出す黄色光 D 線 の波長は 580 Å   (約 0.6 μm )である。

 但し、  1 μm = 10^−6 m  ( μ は 10^−6 の意味)

      1 Å = 10^−10 m  ∴ 1 μm = 10000 Å


光の振動数

 光の振動数を ν 真空中の光速を C 、波長を λ とすれば、

   ν = C / λ

 により、赤色光 より 紫色光近づく に従い 振動数 多くなる


光の波長と屈折率の関係

 或る単色光が 屈折率違う媒質中入っても振動数 ν には 変化はない。屈折率 n の媒質中の光速 υ は真空中の光速 C の 1 / n であるから、

 υ = C / n ,   媒質および真空中の波長は  λ = υ / ν ,  λ_0 = C / ν ,   よって

 屈折率 n媒質中波長 λ真空中波長 λ_01 / nなり

   λ = λ_0 / n

 例えば、水の屈折率は 4 / 3 であるから、水中の光速は空気中の 3 / 4 、従って、水中の波長は真空中の 3 /4 である。(このとき光は垂直に近づくように屈折する)



(...to be continue...)

 例によって、図形は後で挙げます…。
posted by 梵 at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月11日

プリズム

 さて…。前回予告したプリズムの話です…。



プリズムによる ふれの角

 交わる平面 AB , AC で限られた透明体プリズム といい、その 二つの平面のなす角 θ 頂角 という。入射光線 HK と透明光線 NS とのなす角 δふれの角 といい、光がプリズムによって δ だけ方面がふれたことを示す。


 頂角 θ のプリズム の一つの面に 入射角 i で入射し、他の面から 屈折角 i' で出ていく光線の ふれの角 δ は、

   (1) δ = i + i' − θ

 頂角
および 入射角小さいときは、プリズムの 屈折率 n として

   (2) δ = ( b − 1 ) θ

2-52-7a.gif


 何故なら、(1) δ は ΔLKN の外角

 ∴ δ = ∠LKN + ∠LKN = ( i − r ) + ( i' − r' )

          = ( i + i' ) − ( r + r' )

 然るに、 ΔLKN の外角   ∠NDA = r + r'

 また、 KD ⊥ AB , ND ⊥ AC  よって、四辺形 AKDN は円に内接する。

 ゆえに  ∠NDE = ∠BAC = δ   ∴ δ = i + i' − θ

 また (2) では、i 及び θ が小さいときは、i' , r , r' も小さく、

 sin i = i ( rad )  と見なし得る。 r , r' も同様。

 よって、  n = sin i / sin r  は  n = i / r   ∴ i = nr

 と見なし得る。同様に  i' = nr'

 ゆえに、  δ = i + i' − θ = nr + nr' − θ

           = n ( r + r' ) − θ = nθ − θ = ( n - 1 ) θ


▼従って

 プリズムに細隙 P を通して太陽の光のような複光が入射すれば、紫色光に近いほど屈折率は大であるからよく屈折し、光は分散する

2-52-7b.gif


直角プリズム(直角二等辺三角形をなすプリズム)

 直角の1辺に垂直に入射した光線 AB は斜辺に対して入射角が 45° であって、ガラスの臨界角 42° より大である。ゆえに BC のように全反射する

 但し、物質が水であるならば、斜辺への入射角 45° は臨界角 48.5° より小さい。ゆえに BD のように進み全反射しない。

 また、光が EF のように投射して、斜辺への入射角 i がガラスの臨界角 42° より小さければ全反射しない。

2-52-7c.gif


▼直角をはさむ1辺に垂直に入射した光は 90° 方向が曲がり、斜辺に垂直に入射した光は 180°曲がる。

2-52-7d.gif

 但し、これは全反射であるから反射面で光は吸収されることはない。(普通の鏡では銀面によって光が吸収される。)

 従って、プリズム問題では、プリズム内を進む光が次の投射点で全反射するかどうかを考えることは、理工系物理学ではよく出題される問題であるが、これは商品開発や物理をよく知る上で役に立つ。

 また、全反射するための条件と全反射しないための条件については、

 全反射するための条件   i > i_0  
或いは  n_g sin i > n_a

         空気のときは  n_a = 1

 全反射しないための条件  i < i_0  
或いは  n_g sin i < n_a   


(...to be continue...)
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2006年01月08日

全反射するための条件

 うーん、小十郎に突っ込まれてしまいましたが、全反射の話が続きます…(苦笑)。

 今度は全反射するための条件の話です。


 
全反射するための条件

 水面下の点 E に高源があるときは、2 i_0 ( i_0 は臨界角)を頂点とする円錐体内の光は屈折して全空間に広がり、円錐体外の光は全反射してもとの水にかえる。

 逆に点 E に眼があるときは、水面上の全空間の景式は円錐の頂角 2 i_0 の中に見える。この頂角外に水中の魚などが全反射して見える。

2-52-6a.gif


 従って、空気→水(疎→密)の場合は全反対は起こらない

 但し、空気中の P の方向にある物体は水中の眼 E には P' の方向に見える。

 ゆえに、点 E から出る光は、AB を直系とする円板を水面におけば、水面外へは出ない


▼これにより、
 
    全反射がおこるための条件

     
  1. 密媒質( b )より疎媒質( a )に検討し、


  2.  
  3. 且つ 入射角 i 臨界角 i_0 より 大きいii_0 )とき、媒質 a , b の屈折角を n_a , n_b とすれば、上の2条件合わせて

       n
    _b sin i n_a


 特に疎媒質 a空気 (或いは、真空) のときは  n_a = 1   ゆえ、

   n_b sin i1

2-52-6b.gif  2-52-6c.gif


 何故なら、全反射するためには、  1 > i_0

 従って、   sin i > sin i_0

 然るに、   sin i_0 > n_ba = n_a / n_b

   ∴ sin i > n_a / n_b   ∴ n_b sin i > n_a


▼全反射する場合

 光は界面で吸収されることなく、全部反射する。

 但し、普通の鏡では、光は界面で吸収されることなく、全反射する。

 例えば、直径 5mm 位、長さ 1m 位のガラス棒を曲げ、一端 A を豆電球で照らすと、他端 B が明るく見える。A 端から入った光が、ガラス面で何回も全反射して B 端に出て来るが、全反射では吸収されないから弱まり方が小さいことによる。胃カメラなどの内視鏡や光線電話はこの性質を利用している。



(...to be continue...)

 次回はプリズムの話ですよ…(^-^)
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2006年01月06日

全反射と臨界角

 反射といえば、物質によって、反射の仕方が変わってきますね…。宝石は光をよく反射して輝きますが、これは、屈折率が大きいからですね…。

 また、朝日や夕日が海面に近づくのに従って、入射角が大きくなるので、反射像は明るくなります…。ごく当たり前の話なのですが、このごく当たり前の話を「何でや?」と不思議に見てそれを明らかにするのが物理学の世界です。そもそもは仮想上理論で遊ぶのを意図としない学問です。専門となるとある一部の世界では仮想上理論の迷路に嵌っています。どこで履き違えちゃってるのでしょうね…(T_T)

 さてさて…。全反射と臨界角の話です…。



一部反射

 一般に二物質の界面に光が入射すると、一部の光は界面で反射する(一部反射という)とともに、一部の光は屈折してはいる。この 一部反射 する 光の量 は、二物質の 屈折率の差大きい ほど、入射角大きい ほど、大きい


▼水→空気のように、密媒質 b から a に光が入射した場合

 屈折角 r は常に入射角 i より大であって、入射角 i の増し方よりも屈折角 r の増しかたの方が大きい。ゆえに、i がまだ 90°に達しない前に r は既に 90°になり、屈折光線は界面に平行になる。然るに、一部反射する光の量は入射角の増加と共に増加し、屈折角 r が 90°のときには、光は界面で全部もとの媒質へ反射しかえる。この状態により更に大きい入射角では、これに相当する屈折角はなくなり、光は界面でもとの媒質に全部反射する。


波の全反射の話で述べたように

 全反射波が界面で全部もとの媒質に反射する現象 である。全反射が始まる最小の入射角 、即ち、屈折角 r_0 が 90°のときの入射角 i_0臨界角 という。

 記憶すべき臨界角(空気に対し)の一例として、  水−48.5°  ガラス−42°


▼従って

 臨界角 i_0 の正弦の値密に対する疎の屈折率等しい

 媒質 b は a より光学的に密 とするときは

   sin i_0 = n_ba = 1 / n_ab = n_a / n_b

 よって、   n_b sin i_0 = n_a

 疎媒質が空気 のときは  n_b sin i_0 = 1  (∵ n_a = 1 )

 何故なら、  n_ba = sin i / sin r ( = n_a / n_b )   において、

 i を臨界角 i_0 とすれば、  r = r_0 = 90°

 ∴ n_ba = sin i_0 / sin 90° = sin i_0 / 1 = sin _i_0 ( = n_a / n_b )

   ∴ n_b sin i_0 = n_a


臨界角を作図によって求める には

 臨界に垂線 MON を立てて、O を中心として任意の半径で円を描き、界面との交点 A , B を求め、  OC = OA / n_ab  なる点 C を取り、界面に垂直 CD を引き、円との交点 D と O とを結ば、  ∠ DON が臨界角 i_0 である。

 即ち、  sin i_0 = OC / OD = OC / OA = 1 / n_ab = n_ba

 水から空気への場合は、  OC = ( 3 / 4 ) OA   にとればよい。



(...to be continue...)
posted by 梵 at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月05日

屈折光線により像を見ると

 ヒトが現状を見てそれを脳内で像を見て認識することとすることと、屈折光線により像を見ることは、よく似ているように思えてならない梵です。

 よくヒトの見解は客観的な視野から観測することができない場合、ありのままに見れないほど、或いは、視野が狭いほど、屈折するものですが、この屈折光線により像をみることを、脳学の権威の養老博士は「バカの壁」という言語を使って、ヒトの認識の誤差を説明しています。

 さらに、脳学だけでなく、物理学的に見ていくと、とても面白いです…(〃▽〃)

 Einstein の説を見る場合、客観的な視野から観測し、認識しなければ、躓いてしまいがちになるので、第一線で動いている学者であっても時として、躓いてしまっているのを見ることがあります。即ち、躓きとは、養老博士がいう「バカの壁」のことですが、脳の能力はそれぞれ個人差があり、脳はサーバーのような構造をしているので癖というのもあります。だから、知識を増やしては脳みそを柔らかくする脳みそのトレーニングを日頃からしている梵でありますが、特に、Einstein の説を見る場合、膨大な知識量と柔軟な脳みそが必要になるので、本当に難しいな…と、今でもそう思う梵であります…。

 仮に、Einstein な発想転換や理解ができない場合、今回のテーマである「屈折光線により像を見ると」から始めるといいかもしれませんね…(^-^)



▼屈折光線により像を見ること

 水中の物点 P から発した光のうち、空気中の目に入る屈折光線を逆に延長した交点 P に像を認める。従って目の位置が E_1 , E_2 , E_3 , E_4 と変わるに従い、像の位置も P_1 , P_2 , P_3 , P_4 と変わる。

 斜めに見るほど、即ち、屈折光線が水面に近いほど、その像は水面に近く、浅く見える(水底は遠くほど浅く見える)。(これは、入射角が増すと屈折角の増し方は更に大きいからである。)


▼従って、

 空気中から水 (屈折率 n ) の中を 水面に垂直 に見ると、水中の深さ h' は 真の深さ h の 1 / n に 浮き上がって 見える。即ち、

   h' = h / n

 逆に、水中から空気中 を見れば 真の深さの n 倍に見える

   h' = nh

 何故なら、空気中から水の中を水面に垂直に見ると、水中の点 P から出た光は水面で法線に遠ざかるように屈折する。

 即ち、  r > i   従って、像 P' は P より浮き上がって見える。

 AP = h ,  AP' = h'   であるので

   1 / n = n_wa = sin i / sin r = ( AB / BP ) / ( AB / BP' ) = BP' / BP

 深さ h に比べて、瞳孔の直径は甚だ小さく、従って AB も小さい。

   ∴ 1 / n = BP' / BP ≒ AP' / AP = h' / h   ∴ h' = h / n

 逆に水中から空気中を見れば、空気中の点 P からの光は水面で法線に近づくように屈折するから

   r < i   で、 逆に   h' = nh   に見える。

 例えば、真上から水中の物体を見ると、実際の深さの 3 / 4 に見え、水中から空気中を見れば、実際の高さの 4 / 3 倍に見える。



(...to be continue...)
posted by 梵 at 21:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

累屈折(つぎつぎと屈折)

 やはり、新年早々、むにゃむにゃ…と理論を捏ね回して遊んでいる梵であります。

 光の屈折をはじめとする、光の振る舞いを物理学的に見ると、脳学における、認識、および、視覚思考などで引き起こる錯覚の振る舞いと似ているな…なんて思ってしまうのは梵だけなのかもしれませんね…。


 光波より、つぎつぎと屈折する累屈折の話です。



両面平行な透明体を通過した光線は入射光線に平行である

 量垂腺 IK , LN は平行である。ゆえに、  i' = r  よって、  r' =i

 ゆえに  LM // HK

 媒質 a に対する b の屈折率を n_ab 、b に対する c の屈折率を n_be 、c に対する a の屈折率を n_ca とすれば、

   n_ab ・ n_be ・n_ca = 1

 媒質 a , b , c 中の光の速さをそれぞれ、ν_a , ν_b , ν_c とすれば、

   n_ab ・ n_be ・ n_ca = ν_λ / ν_b * ν_b / ν_c * ν_c / ν_a = 1


▼従って、平行な透明板 b , c が媒質 a 中にあって、光が a→b→c→a と進む場合、透明光線( EF )は入射光線( AB )に平行である。3枚以上あっても同様である。

 β = β' ,  γ = γ'  である。上記の定義により、

   n_ab * n_be * n_ca = sin α / sin β * sin β' / sin γ * sin γ' / sin α' = 1


或る物質の 真空に対する屈折率 を疎の物質の 絶対屈折率 という

 真空から真空へ進むときは直進する。即ち、入射角と屈折角は等しい。ゆえに

 真空の絶対屈折率は  n = sin i / sin r = 1   である

 このとき、空気の絶対屈折率は 1 と考えよ。(厳密には 1.0003 )

 また、或る物質の絶対屈折率は、空気に対する屈折率に殆ど変わらぬ問題に 単に 屈折率 とあれば、空気に対する屈折率 と考えてよい。

 媒質 a , b の 絶対屈折率n_a , n_b とすれば、a に対する b の屈折率 n_ab は

   n_ab = n_b / na


(...to be continue...)
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2005年12月30日

屈折光線の逆進

 屈折光線の逆進の話です…。

 先日のように初っ端に戻りますが、「光波の話」の続きの話になります。



▼媒質 a より媒質 b へ入射角 i で入射するとき

 屈折角 r をなして →_OB の方向へ進むならば、光線逆進の原理により、逆に b より a へ r に等しい入射角 i' で入射するときは、その屈折角 r' は i に等しい


n_ab は a→b に入射するときの入射角と屈折角の sin の比を示し、

 a に対する b の屈折率 という。即ち、  n_ab = sin i / sin r

 n_ba は b→a に入射するときの入射角と屈折角の sin の比であって、

 b に対する a の屈折率 という。即ち、  n_ba = sin i' / sin r'

 従って、


屈折光線の逆進とは

 b に対する a の屈折率 n_ba は a に対する b の屈折率 n_ab の逆数等しい

   n_ba = 1 / n_ab

 屈折光線は逆進するゆえ、  i' = r   ならば   r' = i   である。

 ゆえに、   n_ba = sin i' / sin r' = sin r / sin i = 1 / n_ab

 但し、  n_wa = 0.75  ∴ n_wa < 1  この時の空気は水より光学的に疎である。



(...to be continue...)
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2005年12月29日

波の全反射の話

 久々に、波の話です。初っ端に戻りますが、「ミンコフスキーの話をする前に…」の続きです。

 波の話といえば、入射です。入射といえば、小十郎の「入射♪」あそびです。

 入射が好きな小十郎君ではありますね…。どないでしょうね…。


一部反射

 一般に二物質の界面に波が入射すると、一部のエネルギーは界面で反射する(一部反射 という)とともに、残部の波は屈折して入る。この一部反射する波の強さは、入射角が大きくなるに従って増す


▼波が速さ υ_1 の媒質Tから速さ ν_2 の媒質Uに入る場合

 sin i / sin r = ν_1 / ν_2  であるから、  ν_2 > ν_1   であれば、

 sin r > sin i 、  従って  r > i   である。

 ゆえに、入射角 i を 0 から次第に大きくしていくと、i が 90°になり、屈折線は界面に平行になる。しかるに、一部反射する波の強さは入射角の増加と共に増加し、屈折角 r が 90°のときには、波は界面で全部もとの媒質に反射しかえる。この状態よりも更に大きい入射角では、これに相当する屈折角はなくなり、波は界面でもとの媒質に全部反射する。


全反射とは

 全反射波が界面で全部もとの媒質に反射する現象 である。全反射が始まる最小の入射角 、即ち、屈折角 r_0 が 90°のときの入射角 i_0臨界角 という。

 但し、一般の反射では、反射面で波のエネルギーが一部吸収される。全反射では、界面で吸収されることなく、全部もとの媒質に反射される。


▼媒質Tでの波速を ν_1 、Uでの波速を ν_2 とする。TからUへ入射するとき、

 全反射入射角入射角 より 大きい とき、従って、 ν_2 > ν_1 、即ち、速度より大きい 触媒へ 入射 し、入射角臨界角超える とき、起こる

 媒質TからUへ入るときの 臨界角 i_0 正弦

   sin i_0 = n→_12 = ν_1 / ν_2

 入射角 i が i ≧ i_0 従って sin i ≧ sin i_0 のとき、 全反射する


(...to be continue...)
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2005年12月23日

ドップラー効果の話 (2)

 ドップラー効果の話 (1)の続きです。


光におけるドップラー効果

 光源と観測者とが相対的に運動しているときは、音波と同様にドップラー効果がある。

 光速 c 、相対速度 0 のときの 波長λ

     相対速度 ν のときの 波長λ' とすれば、

   近づき つつあるとき  λ' = ( 1 − ν / c ) λ

   遠ざかり つつあるとき  λ' = ( 1 + ν / c ) λ

 で、波長の差 Δλ = ( ν / c ) λ だけ、

   短く近づくとき)、長く遠ざかるとき) なる。

      ただし、ν は c に比べて小さいものとする。


 天体(太陽や星)の光を分光器で調べると、或る単色光(例えばD線)は、天体と地球が近づきつつある場合、波長の長い紫色の法へ少しずれ、遠ざかりつつある場合、波長の長い赤色の方へ少しずれる。その波長の差を分光器で調べ、「Δλ = ( ν / c ) λ」の式によって、相対速度 ν の方向と大きさを知ることができる。



(...to be continue...)
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2005年12月22日

ドップラー効果の話 (1)

 ドップラー効果の話が前回の音波の光波の比較で出たので参考に挙げることにしました。

 実験するより、下記のようにするとわかりやすいな…(〃▽〃)♪

 …なんて思うのは、梵だけなのかもしれませんね…。



波面

 波が広がっていくとき、媒質の位相の等しい隣り合った点を重ねてできる面例えば、波の山つづき、或いは谷つづきの面)を 波面 という。波面が球面である波を 球面波、波面が平面である波を 平面波 という。相隣する波面間の距離が 1 波長 λ である。


波長と観測者の運動

 音源 S ( Source )からひろがっていく音の波面が、観測者 O ( Observer )の耳元を通り過ぎるとき、1つの波面につき1回、鼓膜を振動させる。従って、鼓膜が1秒間に受ける波の数が、鼓膜の振動数である。ゆえに観測者が動けば、受ける振動数が変わってくる。


波面と音源の運動

 音源 S が動く場合の波面と考えれば、音源の振動数を νs 〔 l / s 〕、速度を右向きに υs 〔 m / s 〕とすれば、音波の進む速さ V 〔 m / s 〕は、音源が動いても変わりはないから、S にあった音源から出た波面は球面波となって1秒後に V 〔 m 〕の P 点に達し、同時に音源は υs 〔 m 〕の点 S' に来る。よって、V − υs 〔 m 〕の S'P 間に、音源が1秒間に出した νs 個の波が並ぶ、ゆえに

 音源 の 進む側 では  波長

   λ' = V − υs / νs    で、短くなり

  距離 1m の間 にある 波の数(波数)

     νs / V − υs 個   で、波面が密になる

 音源が遠ざかる側では 波長は λ'' = V + υs / νs で長くなり、

  波数は νs / V − υsで疎となる。

 従って、これらの波が耳に入ると、音源の振動数と違った音に聞える。


ドップラー効果

 音源と観測者が近づきつつあるときは、音が高く聞え、遠ざかりつつあるときは低く聞えるこのように、波源観測者相対運動 しているときは波源の振動数違った振動数観測されるこの現象を ドップラー効果 という


▼ドップラー効果の求めかた

 ドップラー効果 は、 次の順序考えて自分で式を作るべきで、丸暗記するものではない。

@まず、音源から出た波は 1m の間に何個あるか、波数を考えること。
 (或いは、この逆数、波1個あたりの長さ(波長)を求めよ)

A次に  1 秒間に、何 m の間にある波が耳にあたるか を考えること。
 (即ち、耳に対する波の相対速度を求めよ)

Bこうして、1 秒間に耳に入る波の数(観測される振動数 υo )を出す


ドップラー効果観測者の速度

 音源 静止観測者υo近づく 場合、

    νo = νs ( V + υo / V )  で 高く 聞え、

   υo遠ざかる 場合、

    νo = νs ( V − υo / V )  で 低く 聞える。

 このように 観測者の速度 は 分数の 分子 に関係する。

 但し、νs音源振動数νo聞える 音の 振動数V音速


ドップラー効果音源の速度

 音源 静止音源υo近づく 場合、

    νo = νs ( V / V − υs )  で 高く 聞え、

   υo遠ざかる 場合、

    νo = νs ( V / V + υs )  で 低く 聞える。

 このように 音源の速度 は 分数の 分母 に関係する。



音源観測者(耳)同時動く とき

 耳に入る音波の 速度 V の方向 S → O  の 向き

  音源υsυo速度で動く とき

   聞える振動数 は   νo = νs ( V − υo / V − υs )



(...to be continue...)

posted by 梵 at 00:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月19日

音波の光波の比較

 その切っ掛けは、「光は波だ!」か始まった、このカテゴリー。

 先述したように、音も光も波ではあるのですが、厳密には、その性質は類似点と相違点があります。

 今回はその補足として取り上げてみることにしました。



音波の光波の類似点

 共に波動である。ゆえに@干渉、A回折 の現象がある。また、Bホイヘンスの原理に従い、

 n_12 = ν_1 / ν_2 の関係で屈折する。Cドップラーの効果 がある。


音波の光波の相違点

【1:並の種類と媒質】
音波が 弾性波(空気等の媒質を要する) に対し、 光波は 電磁波(空気中も伝わる)。

【2:振動方向】
音波が 縦波(偏りがない) に対し、 光波は 横波(偏りがある)。

【3:速度】
音波が  340m / s の程度 に対し、 光波は 極めて大きい( 30万km/s )。
 従って ドップラー効果においては、
音波が 地上の運動で見られる に対し、 光波は 星などで見られる。

【4:振動数】
音波が 20 〜 20000 / s の程度 に対し、 光波は 極めて大( 5 * 10^14 / s の程度)。

【5:波長】
音波が 1cm 〜 20m の程度 に対し、 光波は 極めて小( 0.8 μm 〜 0.4 μm )。
 従って回折においては、
音波が よく認められる に対し、 光波は 認めにくい。

【6:振動数(波長)の差で】
音波が 音の高さの差を感じる に対し、 光波は 色の違いを生じさせる。

【7:振動数(波長)の差で】
音波が 音速は変わらない に対し、 光波は 光速は変わる。
 従って 分散においては、
音波は 起こらない に対し、 光波は 起こる。



(...to be continue...)
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2005年12月16日

光子という粒子の性質の話 (3)

 実は光子や光電子の話は、『親切な物理学 IB・U』(理工系)では、「原子・原子核」の枠になります。原子核とくれば、脳裏に浮かぶものは《核融合》。核融合とくれば、梵の脳裏に描かれるのは、太陽系の中央で燃えながら光を飛ばしている《太陽》です…(〃▽〃)

 一般人には《核融合》とくれば核兵器や原発を連想させるかもしれませんが、実は、人類は未だ人工的に《核融合》の技術を勝ち得ていません。実のところを言えば、安全な発電と言われるプルサーマルも原子力とかわりません…。ただ燃料となる材料の割合を変えただけのものです。

 今年に入って、DNAの解読と同じく国際研究として《核融合》の実現に向けてのチームが発起され、研究が進められていますが、太陽並みのエネルギーを扱うこと自体が難しいことなので、どうなるんでしょうね…なんて、その後の報告を待ちながら nature を読んでいる梵です。

 さてさて…。

 ミンコフスキーねたあげるまえに、「光は波だ!」から始まって(からなら5回目)、アインシュタインの『光量子説』に入って、第一回第二回、これで第三回目となります…。

 ずらっと、関連するものを繋げてあげていますが、如何なものでしょうね…。


▼「光電効果の性質」の要約
  1. 飛び出す光電子の数は、照らす光の強さに比較する。


  2. 光電子はいろいろの運動のエネルギーをもって飛び出す。


  3. その運動エネルギーに光の強さは無関係である。


  4. 運動のエネルギーの最大値は振動数 ν が大きいほど大きく、直接的関係がある。


  5. 或る振動数 ν_0 より小さい振動数の光は、強くあてても、光電子は飛び出さない。


  6. 振動数が ν_0 以上であれば、どんな弱い光でも、あてると直ちに電子が飛び出す。


▼『光量子説』による「(上記の)要約6.」の説明

 弱い光でも、光子はどれかの電子にぶつかるから、すぐに電子が飛び出す


▼光電効果の性質の「飽和」

 光電面Cが受ける光の強さ L 一定にして、電圧 V ( = V_a − V_c )を大きくするに従い、光電流 i は大きくなるが、或る程度以上は増さない。これを飽和という。


▼「光電流の強さ」と「光の強さ」の関係

 光電効果と光電子の実験において…。

 しぼりを加減して光の量を変え、飽和電流をしらべると、単位時間あたり、光電面が受ける光のエネルギー L_1 、L_2 に対する飽和電流 i_1 、i_2 は、

    i_1 / i_2 = L_1 / L_2

 の関係がある。よって、

 飽和した 光電流 の大きさ i光の強さ L  に 比例する

 即ち、   i ∝ L

 このことは、陰極から飛び出す 電子の数 N (個 / s )は、陰極面が受ける 光子の数 n (個 / s )に 比例する

 即ち、   N ∝ n    を意味する。

(参:トーキーや電送写真はこの関係をもちいて、光の量の変化を電流の変化に変える)


▼『光量子説』による「上記の関係」の説明

 光の強さ(単位時間あたり受ける光のエネルギー)が大きいということは、単位時間あたり受ける光子の数が多いことを意味する。従って、飛び出る光電子の数は多くなり、単位時間あたりの 光電子の数(光電流の強さ)は受ける 光子の数 となる。従って、光の強さ にに 比例する わけである。

光の強さ は 光電子の数 に、 光の振動数(波長) は 光電子の速さ に関係する。)


▼光のエネルギー

 光子 は可視光線に限らず、他の電磁波も含み、可視光線紫外線X 線γ線波長短くなる に従い、振動数 ν が大きくなるので、エネルギー hν 大きく光子としての性質強い

 これに対して、電波は波長が長く、振動数 ν が小さくなるので、光子としての性質は弱い。

 また、

 「光の強さL を、或る面が「単位時間あたりに受ける光のエネルギーの量」で表せば、単位は「 J / s = W 」で示される。光が面を照らすことは、光子が面にあたることであるから、振動数 ν の単色光の光子 hν( J )が n (個 / s )の割合である面にあたるとき光の強さ L は、

   L = nhν ( W )

 である。



(...to be continue...)

 …アインシュタインの『相対性理論』で、続きます…。    
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2005年12月15日

光子という粒子の性質の話 (2)

 アインシュタインといえば『特殊相対性理論』や『一般相対性理論』が頭に浮かびますが、1905年に立てられた『光量子説』は、光電効果の性質を見事に説明したとても優れた理論です。

 一般的にはとても見落としやすい理論ではありますが、『親切な物理学 IB・U』(理工系)では、「必ず出題されるから覚えとけよー」と丁寧に説明されています。

 アマチュアな物理の議論では、ここで上げてきたような物理のノウハウを持たずに、『相対性理論』の批判がなされていることが多いのですが、学問として物理の参考書で追っていけば、アインシュタインが立てた説は(まだ実証されていない、予言部分にあたる仮説の部分は仮説として置いておいて)、とてもわかりやすく説明された理論であることがわかります。

 ほんと、わかりやすいですよ…(〃▽〃)

 さて…「光は波だ!」シリーズ第4話…というより、「光電子をアインシュタインの『光量子説』で説明する」シリーズの第2回目です…。


▼光電効果と光電子


 金属 の 新しい面

 紫外線X線γ線を含む)をあてると、

 金属の表面から電子飛び出す

 この電子を 光電子 といい、

 この現象を 光電効果 という。


▼阻止電圧と振動数

 光電効果と光電子の実験において、光の光電流 i が 0 になる電圧(阻止電圧)−V_0 の大きさ(絶対値)は、しぼりを変え光りの量を変えても変わりはしないが、フィルターを換えて入射する単色光の振動数を変えると、違ってくる。

 入射光の振動数ν大きいほど(波長λ短いほど)、阻止電圧−V_0 (の絶対値)は大きい従って、光電面から飛び出す光電子運動エネルギー最大値

   1/2mυ_0^2( = eV_0 )    大きい


▼光電効果と光電子の実験において

 フィルターを種々取り換えて、各種の振動数の単色光について阻止電子V_0の値を求め、横軸に振動数νをとり、横軸に光電子の運動エネルギーの最大値「1/2mυ_0^2( = eV_0 )」をとり、光の振動数νによって光電子が飛び出す運動エネルギーがどのように変わるかをグラフに描くと、両者の関係は直線となる。その直線は横軸(ν軸)を切り(その振動数を ν_0 とする)。横軸と負の値で交わる(その点を −W とする)。この結果から、

 電子の運動エネルギーの最大値 1/2mυ_0^2( = eV_0 )は

  直線の傾きを  tan a = h  として、

       1/2mυ_0^2 = hν−W

 で示される。よって、光電子が飛び出す運動エネルギーは、受ける光の振動数大きいほど(波長短いほど)大きい


▼『光量子説』による「光電子のエネルギーと光の振動数の関係」の説明

 hν−W の場合は、光電子は或る初速度をもって金属の表面から離れることができる。その運動のエネルギーは大小さまざまであるが、そのうち最大のエネルギーをもって飛び出す電子の速度を υ_0 とする「 1/2mυ_0^2 = hν−W 」の式は、次のように考えられる。

 光電子 の 運動エネルギー の 最大値 1/2mυ_0^2 は、

 光子 の 与えられたエネルギー hν から、

 電子が表面から離れるのに要する仕事 W

 引いたもの に 等しい。 即ち

    1/2mυ_0^2 = hν−W

  これを

   《光電効果に関するアインシュタインの式

  という。

 直線傾き tan a  は プランク定数 h  を示す。

 
 従って、振動数大きい波長短いほど、光電子大きいエネルギー与え得る。このように、電子のエネルギーは 光の振動数 ν と物質の仕事関数 W の2つによってきまり、光の強さ(照度)には関係しない(同じ ν の光では)。



(...to be continue...)

 …アインシュタインの『光量子説』、続きます…。    
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2005年12月14日

光子という粒子の性質の話 (1)

 ここ数日間、『親切な物理学 IB・U』(理工系)をパラパラとめくって、

「中身を確かめてから選んだんだけど、理工系はやっぱり理工系ね…(T▽T)」

 物が作れそうだわ…

 …なんて、むにゃむにゃ…やっている梵です。

 本文中のアインシュタイン関連を索引しても、『光量子説』しか載ってない…(T.T)


 …そんなわけで、専門書が山となり、一部屋が潰れ果ててる梵の部屋であります…。

 さて…。「光は波だ!」の続編3回目、今回は光子という粒子の性質についての話です。


▼光量子説

 アインシュタイン(Einstein)はプランク(Plank)の量子説を取り入れて、次の光量子説を立てて、光電効果の性質を見事に説明しました。(1905年)


 振動数νの光 は、νに比例するエネルギー h νをもつ粒子 となって、

 真空中 は 「 3 * 10^8 m / s 」 の 速さ で 飛んでいる

 この 光の量子 を 光量子 或いは 光子photon )という。

 hプランクの定数 とよばれ、その値は

     h = 6.625 * 10^−34J ・ s

 振動数ν(波長λ)の 光子のエネルギーE は、真空中光速を c として

     E = hν ( = h ( c / λ )

 であるから、振動数 が 大きい波長 が 短い)ほど 大きい


▼光子説による光電効果

 アインシュタインは、光電効果について次のように考えた。

 振動数 ν のが 金属面に あたるときは、

 一つの光子のもつエネルギー hν 全部を、

 一つの電子がもらって 飛び出して来る。

 以下、この考えによって、光電効果の性質を説明する。


▼「光電効果の性質」より − 《光電限界波長》とは

 振動数ニューが小さくなる(波長が長くなる)に従って、光電子の運動エネルギーは小さくなり、直線が横軸に交わる振動数ν_0で 0 となって、それ以下の振動数の光では光電子は飛び出さない。

 どの金属にも、光電子を出し得る最小の振動数(最大の波長λ_0)が決まっていて、それ以下の振動数の日帰り(それより長い波長の光)では、どんなに強い光をあてても、光電子は飛び出さない。このλ_0をその金属の《光電限界波長》、 ν_0を限界振動数という。


▼限界波長の説明 − 仕事関数

 原始から電子が離れて自由電子になると、残りの部分は正イオンとなっている。自由電子は、金属の内部では大小のいろいろなエネルギーをもって運動しているが、最も大きいエネルギーのものでも、表面に来ると正イオンの引く力によってその運動のエネルギーは0となり、外へは出さない。

 従って、その表面から、正イオンの引く力に逆らって、外の空間に電子を取り出すためには、或る仕事が必要である。このように、自由電子のうちで最も大きいエネルギーのものを物質の表面を通って外部に取り出すために必要な仕事Wを《仕事関数》という。

 ゆえに光電子が金属の表面から離れるためには、光子のエネルギー hνがこの仕事に等しいか、より大きいことを要する。

    即ち   hν = h ( c / λ_0 ) = 0

 hνがWに等しいときは、電子は辛うじて金属から離れ得るわけで、金属から離れるときの初速度は0である。このときの光子の振動数を ν_0 (波長を λ_0 )とすれば、

    hν_0 = h ( c / λ_0 ) = W

 …であって、λ_0が《限界波長》である。λ_0より長い波長の光(振動数が ν_0 より小さい光)のもつ光のエネルギーは W より小さいから、その光をいくら強く当てても、電子は飛び出さない。

 熱電子の場合、陰極金属の温度を上げ、正イオンの熱振動や自由電子の運動が盛んになり、自由電子の運動エネルギー 1/2mν^2 が、仕事関数 W 以上になると、電子は表面から離れ得る。熱電子効果から測定された仕事関数の値は光電効果から求めたものとおおむね一致する。



(...to be continue...)

 …アインシュタインの『光量子説』、続きます…。    
posted by 梵 at 18:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月13日

光波の話

 地球の子午線に沿ってひとまわりは 4 万kmであり、光速は 30万km/s であるから、光がぐるぐる地球をまわるとすれば、1 秒間に地球を 7.5 回りすることになる……あはは…(T▽T)

 …なんて、むにゃむにゃ…やっている梵です。

 勿論、「光は波だ!」の続編です。


▼光学

 光の直進、反射、屈折および逆進の諸法則を基礎として組み立てられた学問の分野を《 幾何光学 》といいます。レンズの組み合わせなど写真機、顕微鏡や望遠鏡等の光学系はこの分野に関係します。これに対し、光の波としての性質に重点をおく分野は《 物理光学 》と呼ばれます。

 光が波であることは先述しましたが、今回は物理光学のちょっとした入門としてポイントをあげていくことにします。電波 であること、および 光子という 粒子の性質 については後述する予定にしています。


▼光の速度

 光の速度は、レーマー(Roemer)、フィゾウ(Fiseau)、フーコー(Foucau)、マイケルソン(Michelson)によって測定されました。

 今日知られている光速度の正確な値は c = 2.997925*10^8 m/s(真空中)

 概値は c = 3*10^8 m/s

 (つまりは、光速は 30万km/s …ということです)

 フィゾウの実験から求めたこの光速度の値は、マクスウェル(Mazwell)が理論から計算した電磁波の速度に等しいものとなりました。この実験によって得られた結果が「光は電磁波である」という説の論拠となりました。


▼光速度と屈折率の関係

 先述したように…

 媒質a、b 中の光速νa、νb とすれば、ホイヘンスの原理により、

 aに対するbの屈折率「n→_ab」

   n→_ab = νa / νb ( = sin i / sin r )

 よって、真空に対する 屈折率n の 媒質中の 光速ν は

   n = c / ν  或いは  ν= c / n

 ただし、c は 真空中の光速 である。


▼フーコーの実験とホイヘンスの「光の波動説」

 フーコーは回転鏡を使って実験し、光の通る道筋に液体を入れて測定した結果、真空中の光速 c と或る物質中の光速νとの比「 n = c / ν」は、その物質の屈折率 n と一致した結果が得られたことから、「 n = c / ν」の関係があると認められ、ホイヘンスの原理と一致することを見出しました。このことは、ホイヘンスの「光の波動説光は波動であるとの説)」が正しいことが立証されました。


▼フーコーの実験の裏話:ニュートンの「光の粒子説」VS ホイヘンスの「光の波動説」

 ニュートンは「光の粒子説」(現在行われている粒子説とは内容が違うもの)をとなえ、ホイヘンスの「光の波動説」とどちらが正しいか問題になっていました。

(ホイヘンスが不安定な海面の波の伝わり方の法則という流れの過程上で考えたのに対し、ニュートンは頑丈で平坦な界面での運動の法則や万有引力の法則というような彼自身が築き上げてきた法則の流れ過程上で考えた、といえば、ニュアンス的にわかりやすいでしょうか…)

 ニュートンは次のように考えました。

 光の粒子の界面に平行な分速度uは媒質b中に進んだときも変わりはしないが、界面に垂直な方向の分速度は、密な媒質bに引かれて加速度を生じ、密な媒質中の速度νbは疎な媒質中の速度νaより大きい。従って 疎→密 へ入射するときは、垂直に近づくように屈折する、というものです。

 この考えによれば、「νb >νa 」でフーコーの実験と反対なものであったので、ニュートンの説が間違っていたことが証明されました。



(...to be continue...)

 …つまり、多大な功績を残したアインシュタインであっても、先人の積み重ねの道筋上に積み重ねた人物の一人であって、アインシュタイン一人だけで立てられた物理学理論ではないとわけで…。

 …あぁ…。…次は、アインシュタインだわ……(T.T)

posted by 梵 at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 《光》で Einstein な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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