2010年06月03日

超大質量星:超新星 2007bi から得られた根拠

太陽のような星は、白色矮星としてその一生を終えます。

太陽質量の 140 倍以上の質量を持つ星は天の川銀河にはありませんが、もし存在するならば、それは太陽とは違う運命をたどることが理論的に予想されています。

このような星が酸素からなるコアをもつ段階まで進化すると、圧力でコアを支えていた光子が電子−陽電子対に代わり、エネルギーを吸い込んでコア崩壊が起き、「対不安定」型超新星が生じます。

近隣の矮小銀河内で生じた明るい超新星(SN) 2007bi のスペクトルと光度曲線の解析によって、このような爆発の証拠が得られました。

SN 2007bi の前駆天体は、太陽質量の 100 倍より重いコアをもっていたと推定されています。

計算から、太陽質量の 3 倍を超える量の放射性ニッケル 56 が生成した爆発であることが示され、これは体質量の酸素コアからの予想と一致しています。

このことは、初期宇宙には多くあったであろうこうしたタイプの星を目の当たりにする機会を与えてくれる、非常に重い星が近傍宇宙に存在することを意味しています。


### database ###
nature 462,535-688 3 December 2009 Issue no.7273
Letter p.624 / Supernova 2007bi as a pair-instability explosion / A Gal-Yam et al. (The Weizmann Institute of Science)
News and Vews p.579 / Astrophysics : Different stellar demise / Norbert Langer
www.nature.com/podcast



初期質量が太陽の 10 倍以上 100 倍以下の星は、中心でより重い元素へとしだいに核融合していき、コアは安定な鉄となります。

次いで、コアの重力崩壊が起きて、中性子星あるいはブラックホールとなり、爆発によって鉄コアの重力崩壊型超新星となります。

一方で、初期質量が太陽の 140 倍以上の極端に重い星がもし存在すれば、それらは酸素からなるコアを生じ、そのコアの質量は太陽質量の 50 倍を超えます。

この内部では比較的低密度で高温に達します。

コアを圧力で支えている高エネルギー光子−陽電子対への変換に続いて、酸素の点火が起こって激しい収縮を招き、核爆発が引き起こされて星が粉々になって対不安定型超新星となります。

太陽質量の 100 倍以上 140 倍以下という過渡的な初期質量をもつ星は、おそらく対不安定が短時間生じた結果として起こった激しい質量放出の後に、鉄コアの重力崩壊型超新星として終わりを迎え、これらは既に確認されている可能性があります。

本論文では、矮小銀河内にあってゆっくり進化する明るい天体、超新星 SN 2007bi の観測結果について報告されています。

posted by 梵 at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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