2010年09月17日

細胞:タンパク質をデザインするリボソーム

望ましい性質を持つ新規アミノ酸を化学的に作成しても、細胞に備わる機構を使ってタンパク質へとうまく導入できるのは、これまでほんの一部でした。

また、導入可能な場合ですら、非天然型アミノ酸は 1 回に 1 個しか加えることができませんでした。

理論的には、天然のタンパク質合成系で使われている塩基 3 個からなるトリプレットコドンでなく、塩基 4 個が一組のクアドルプレットコドンを使えば、非天然型アミノ酸を割り当てられる「空白のコドン」を余分に作るゆとりが生じます。

天然のリボソームはクアドルプレットの読み取り効率が非常に悪く、効率を上げるように進化させるとプロテオーム全体を誤読してしまうと考えられています。

今回 J Chin たちは、この問題を解決するため、非天然型 tRNA シンテターゼと tRNA 対を使ってクアドルプレットコドンを効率よく読み取る平行あるいは「直交性」のリボソームを作り、人工的に進化させました。

この系を使えば、遺伝的にコードした「デザイナータンパク質」に、最大 200 種類もの新規アミノ酸を取り込ませることが可能となります。


### database ###
nature 464,317-456 18 March 2010 Issue no.7287
Letter p.441 / Encoding multiple unnatural amino acids via evolution of a quadruplet-decoding ribosome / H Neumann et al. ( MRC 分子生物学研究所:英)

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posted by 梵 at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | natureのこぼれ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月13日

細胞: 3D で見るゲノム

出芽酵母の染色体間での相互作用を示す地図が、ハイスループットな染色体コンホメション捕捉法を用いてキロ塩基の分解能で製作されました。

その結果、核内にある染色体の三次元構造が明らかになりました。

ゲノム全体の形はスイレンの花に似ており、核の極の 1 つにセントロメアが集まり、この土台から染色体の腕 32 本が突き出しています。

この三次元地図は、染色体が動的存在であることは度外視して、ある一瞬をとらえたスナップ写真に相当しますが、真核生物のゲノムの構造を高分解能で初めてとらえたものであり、酵母という単純な生物のゲノムでさえ、非常に複雑な構造であることがはっきり示されました。


### database ###
nature 465,261-390 20 May 2010 Issue no.7296
Letter p.363 / A three-dimensional model of the yeast genome / Z Duan et al.(University of Washington)

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posted by 梵 at 14:41| Comment(2) | TrackBack(0) | natureのこぼれ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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