2010年05月31日

顕微鏡法:超高解像度の顕微鏡

回折限界を超える分解能での画像化の場合、例えば細胞内の微小な特徴を解像するような場合には、画像化対象を蛍光発色団で標識する方法か、或いは、蛍光にはよらないものの、はるかに感度の低いほかの顕微鏡法を使うかしなければなりませんでした。

今回、ハーバード大学の研究チームは、以前ほかの多光子顕微鏡法で使われたことのある実験手法を取り入れた、誘導放出顕微鏡として知られる別の方法を開発しました。

この方法の感度は、標識されていない微小血管画像化や発色レポーターを用いた lacZ 遺伝子発現の検出などへの応用で実証されました。

この手法は、吸収測定より感度が何桁も高く、資料中のほかの発色団に干渉されず、三次元切片法に適しています。

重要なのは、すべての分子が誘導放出顕微鏡法の対象となりうることであります。

したがって、この方法は、かつて超解像顕微鏡では見ることができなかったヘモグロビンなどの非蛍光性物質の画像化に使うことができます。


### database ###
nature 461,109-1162 22 October 2009 Issue no.7267
Letter p.1105 / Imaging chromophores with undetectable fluorescence by stimulated emission microscopy / W Min et al. (Harvard University)
News and Vews p.1069 / Microscopy : Light from the Dark / Stefan W. Hell and Eva Rittweger


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posted by 梵 at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | natureのこぼれ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月27日

医学:軽く触れても痛い

外傷や炎症、日焼けの後には皮膚が知覚過敏となり、ごく軽く触っただけでも激しい痛みを感じることがあります。

この症状は普通すぐに消失しますが、ずっと続いて消耗性の疼痛(とうつう)となる場合もあり、どの神経回路が関与しているかが突き止められていないこともあって、その治療は困難であります。


今回、この慢性疼痛症候群に新規なクラスの一次感覚ニューロンが関与していることが、明らかになりました。

特殊な小胞グルタミン酸輸送体 VGLUT3 を欠損する変異マウスでは、強い機械的疼痛刺激に対する感受性が低下し、外傷後の触覚刺激過敏性は消失します。

脊髄後根神経節の VGLUT3^+ ニューロンは、ヒトで快感を感じる触覚に関与するとされていた髄鞘をもたない低閾値機械受容器ですが、外傷後の痛覚過敏時には痛みの感覚を伝達するらしいです。

このことは、研究や治療的介入に新たな道を開くと考えられています。


### database ###
nature 462,535-688 3 December 2009 Issue no.7273
Letter p.651 / Injury-induced mecanical hypersensitivity requires C-low threshold mechanoreceptors / R P Seal et al. (University of California, San Francisco School of Medicine)
News And Vews p.580 / Newroscience : Unbearable lightness of touch / Liam J. Drew and Amy B. MacDermott


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posted by 梵 at 16:52| Comment(2) | TrackBack(0) | natureのこぼれ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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